私の百合はお仕事です!5話「もしやり直せるのでしたら」の感想です。陽芽は綾小路美月の正体が、小学校の時に自分を裏切った矢野美月であることを知った。最悪な状況になり口も聞かず帰ってしまう。舞は二人で話し合うようにと言ったのだが、何故こんなことになるのか分からなかった。
「どうして二人が仲悪くなるのさ?美月さん?陽芽ちゃん?」
「お先失礼します」
「…」
「澄香さん?」
「知りませんよ」
もしやり直せるのでしたら


陽芽は帰りのバスの中で果乃子に全てを話す。美月は陽芽がカフェにやって来た時からずっと陽芽だと知っていた。果乃子は美月に無理に好かれる必要はない。一人くらい嫌いな人がいてもよいと考えていました。果乃子的には陽芽が美月にベトベトしなくて安心するのだろう。
美月はいつも陽芽のことを思い出していた。嘘つき、八方美人、不真面目な彼女のことを。裏切ったのは陽芽ではなく自分であると自覚していて、もしやり直せる方法があるのならと考えていました。そんなことを考えていると初めて陽芽がやってきた。
「どちら様かしら?」
「今日だけお手伝いで来た者です」
「陽芽ちゃーん」
「陽芽さんね。どうぞよろしくね」
舞に確認すると本当にあの時の陽芽であると確認、もしかして自分に会いに来てくれたのではないかと考えていたのだが、どうやら陽芽は美月であると分からず、お姉様発言。リーベのコンセプトも理解していないことに腹が立った。


澄香は帰り際に陽芽に矢野のことを聞くのだが、お互い何も言ってはくれなかった。着替え中でカーテンの向こうから矢野の怒り声が聞こえてきました。そこにいるのに、互いに聞こえる状況でアクションを起こそうとしてのだがバレてしまった。
「ごきげんよう矢野ちゃんと何かあったのなら言ってごらん、不満とか文句とかお互い直接言えないことあるでしょ?」
「何もないですよ…矢野さんは私のこと何か言ってました?」
「どうなんだろう何も言ってはくれないんだけどね」
「澄香さん!その人に余計なこと言わないでください」
「いるじゃないですか…矢野さん」
「仕事は問題なくきちんとできますから!」
澄香と舞は二人の関係が好ましくないため、このままではカフェでの影響が出てしまう可能性があると考える。勿論二人が苦しそうにしているので、少しでも解決できるようにフォローしたいのだが、何も言ってくれないのでは、どうすることもできない。
「あんたのことなんてなんとも思ってないの!勘違いしないでっていってるでしょ!」
「あんだけの裏切り方しておいて、少しは悪かったとかと思うことの?他に言うことないわけ?」
「美月さん今の状態でちゃんとサロン係できる?」
「できます!」
「忘れないでねサロンでの君達は、リーベ女学園の生徒それをちゃんと守ってね♪」
舞はサロンでリーベの生徒であることを忘れないようにと注意するのだが、お客様も二人の関係をとても楽しみにしていたので、ガッカリさせてはいけないと思っていました。お客様に新しい姉妹のことを聞かれ案内するのだが、常連さんからは波乱が起きているという設定になっていた。


澄香はモニターでみんなの様子を伺う。陽芽が片付けをしていると果乃子は手伝うが、美月は全く手伝わない。そこで行動に出るのだが、美月はちゃんと教えてくれなくて、お客様からフォローされる。陽芽は矢野であることを知ってからもうソトヅラを使えないこと、矢野としか思えないから仲良くすることはできないと怒ってしまいます。
「白鷺さんそんなトレンチの持ち方をして、お姉様に叱られたんじゃなかった?どうすればいいのか教えてもらったらいかが?」
「はい…」
「お姉様…」
「トレンチは下から片手で持つのよ…前にも」
「お姉様は、私のことなんてなんとも思ってないんです」
陽芽は下がってしまい、澄香は美月をフォローするのですが、取り乱した美月が大声を上げてしまう。お客様も驚き、陽芽はとても不快な思いをしてしまいます。その様子を舞が見ていて、このままではいけないと考える。
「あなたの妹は、すっかり拗ねてしまったわね」
「ええ…」
「あの白鷺さんがあんなになってしまうだもん、何があったのか感ぶってしまうわね」
「ええ…」
「よく分かったわ…あなたがどれほど白鷺さんを好きなのか」
「違います!そんなんじゃありません…失礼しました…」
「そんなにかよ…そんなに私のことが嫌いなのかよ」
美月はサロンから退席し、休憩所で休んでいた。澄香との会話を思い出していました。美月は陽芽の文句を矢野に聞いてもらっています。本当に陽芽のことが好きでしょうがないのだが、素直になれないでいた。そんな自分の気持ちを理解しておらず、今は構ってばかりもらっている状況だが、他の場所でも通用するとは限らない。
「澄香さん聞いてください!」
「だから矢野ちゃんの照れ隠しなんでしょ?」
「違うんです!私はあの人とシュヴェスターをやりたくてやってるわけじゃないんです」
「わざわざ追いかけてまでそれを言いたいのね」
「あの人ふざけてますどこまで本気なんだか、仕事できてないですし、コンセプトも理解していないですし」
「可愛い妹じゃない」
「これ以上振り回されたくありません!」
「矢野ちゃんは分かりやすい性格していると思うよ…でも気をつけないと、その性格は周りが許してくれてるけど、いつまでも甘えてていいわけじゃないんだよ?」


閉店後に美月は舞と澄香に謝罪する。舞からシュヴェスターは解消する提案をされるが、中途半端に投げ出すことはできないと、美月は継続を求める。しかし、陽芽は矢野であると知ってから、妹をすることができないため、断ると澄香が大声を上げて舞が止める。
「申し訳ありませんでした」
「なんで怒られてるかちゃんと分かってる?」
「サロン中に私のキャラが外れてコンセプトを壊すようなことを」
「そうじゃなくて、仲良く姉妹しなさいってことでしょ?」
「美月さんは、らしかなぬ失敗をしちゃったね。陽芽ちゃんは随分急に妹ができなくなったね。このままの状況が続くならシュヴェスターの契りは解消。クロイツを返して破局しましたってことになります。それでいいんですか?」
「そんな不名誉なことは許せません!必ずなんとかして仕事を全うします」
「綾小路さんが嫌だっていうなら続けなくてもいいです」
「陽芽ちゃんも大概にしなよ!自分から進んでしまいやってたのにどうしちゃったっていうんだよ?」


練習をする前に美月は陽芽と話がしたいと二人っきりになります。舞はレジを閉め、澄香と果乃子は帰宅するように指示を出します。シュヴェスターを辞めるからピアノを辞めたことに話題が切り替わり、ヒートアップする。
「あんたが初めたことでしょ?なんでシュヴェスター続けないのよ?」
「知らないよ」
「そんな簡単に辞めていいわけないでしょ?遊びじゃないの仕事としてやってるの」
「知らないよ!嫌なら辞めればいいだろ?」
「そうやって辞めるのよねあんた…ピアノを辞めて私から離れて…私を裏切ったのよ嘘つき!」
「ピアノを辞めたからそれを裏切ったっていうのかよ?私が嘘つくってのは知ってたじゃん!私が矢野を裏切るわけないじゃん!」
「何を言ってるのよ…あんたは結局辞めたじゃない」
「矢野のためじゃんか!それなのに裏切ったのは矢野だろ!なんであんな酷いことするんだよ!なんで私のこと嫌いになっちゃったんだよ…」
ピアノを辞めたのは矢野のためであるという言葉を聞いて、どういう意味なのか理解していなかった。これも全て演技で嘘なのではないかと思っていました。陽芽は涙を流して必死に自分の想いを伝えていたことから、自分が勘違いして裏切ってしまったことに気が付いた。
美月は何かを言いかけたのだが、そこに傘を忘れてしまったお客様がやってきて対応する。泣き顔を見られるわけにはいかないと、美月は陽芽を下がらせます。傘を受け取り、陽芽の姿を見たお客様は笑顔で帰っていきました。陽芽もとっさに笑顔になりいつもの対応をしました。
「やっぱりあんたならできるわよね?ちゃんとシュヴェスターやりましょう。私もできるだけフォローするわ」
今の陽芽の対応を見て、美月は陽芽にシュヴェスターを継続しようとする。


サロンではみんなが集まり練習を開始します。改めてコンセプトとキャラをイメージするのだが、うまくできなかった。
自分から相手はどう見えていた?相手から自分はどう見られたかった?どうして可愛くしてるのに怖いお姉様なんだろう?私のこと好きになってくれないんだろう?
「ごきげんようお姉様♪どんなお給仕を教えてくれますか?」
「今日はテーブルのリセットを覚えてちょうだい」
「はい!お姉様」
「いい返事ね!やる気のある子は私も好きよ」
「頑張ります!私お姉様にもっとそう言って欲しいですから」
無事成功することができました。ちゃんとソトヅラできていたことで、陽芽は最初の頃から、美月に褒められて欲しいという気持ちがあったことを理解した。
翌日、カフェにやってきた陽芽と果乃子は、舞と澄香に呼ばれる。昨日の美月の対応や、閉店後の言い争いが、リーベのブログに記載されていた。元になったブログはいいのだが、コメント欄が荒れて矢野が悪者になってしまっていた。
「綾小路さんに無理やりシュヴェスターをやらされている」
「白鷺さんがかわいそう」
閉店後だと傘を取りに来たお客様だろう。
次回「嘘は必要ないのですか?」
コメントを残す