勇者指令ダグオンOVA「水晶の瞳の少年」後半の感想です。炎は謎の集団から追われているケンタと出会い保護する。炎の家が消失してしまい、新たな敵の出現に海、翼、激が集結する。雷は極秘任務で地球へやってきたが、翼と森に発見される。
学校の裏山で竜と合流しようとするのだが、そこには共に戦った宇宙警察機構の刑事、雷の姿があった。ケンタの異変を感じ、サンダーライに変身し銃を発射した。
極秘任務
炎とケンタは負傷してしまい、海が怒り竹刀で応戦するのだが、弾かれてしまう。もう一撃発射しようとした瞬間、森と翼が登場し、バイクで突撃する。ビームが竜の家を破壊してしまう。かつての仲間が相手では、雷も迷ってしまい追うことができなかった。
「雷…貴様!」
「先輩…」
「貴様の目的っていうのは、そんなガキを殺すことかよ?」
「待って…」
「極秘任務が聞いてあきれるぜ!」
「隊長」
「ターゲットはレベル3に移行、もはや一刻の猶予もない…油断するな行動を共にしているのはダグオンだ」
謎の集団に指示を出していたのは雷で、炎の家を消滅させたのもケンタの抹殺が目的だった。逃走する軽トラが破壊され、ケンタは殺害されそうになった瞬間、竜が工事現場の道具を所持して登場した。みんなを避難させ、鳥に持ってきてもらったダグコマンダーを身に着けシャドーリュウに変身する。
ビームを回避し格闘戦に持ち込むが、衝撃波で吹き飛ばされてしまう。宇宙警察機構の部隊が相手では、単独で戦っても勝ち目はなかった。
「5時の方向40mのところに横穴がある」
「トライダグオン」
「ダグオンといえど素人集団、敵ではない」
激はケンタが宇宙人だと考えていた。もし宇宙人だとしても何も悪いことはしていない。海はケンタを抹殺しようとしている雷を怒っていた。炎がケンタを守ると発言すると、勉学で忙しいと関わろうとしていなかった本人が、積極的に協力する発言をする。
「雷め…こんないたいけな子供に銃を向けるとは、言語道断!」
「必ず俺が守ってやるかなら」
「俺がじゃない…俺達がだ!」
竜を見失い、雷はレベル4に備えるために帰還する。部隊の人数は雷を含めて9人だった。竜が合流し、鍾乳洞から学校へ逃走することができた。
早朝になり、全員が自宅にあるダグコマンダーを回収し、倉庫で集合することになった。海は的確な指揮をする。炎は家がなくなってしまったため、ダグオンに変身することができない。
「これより各自、自宅に保管してあるダグコマンダーの回収に向かう」
「ダグコマンダーね…どこに閉まったかな?」
「よもや神聖なダグコマンダーを」
「行動開始だ!ダグコマンダーを回収したら再び体育用具室で合流する!健闘を祈る!」
ダグオンVS宇宙警察機構
ケンタは学校に通ったことがなかった。学校は勉強することだけではなく、修学旅行や学園祭などイベントがあり、なにより友達ができるのがいいことである。炎はケンタに友達が大切であることを教える。
海は机の中、激は神棚、森は押入れ、翼は水槽の中にダグコマンダーを入れていた。変身しようとした瞬間に狙われてしまう。激が駆けつけ地面からドリルクラッシュで奇襲する。
市街地では攻撃をしてこないと思われたが、全員戦闘を開始する。炎はダグコマンダーを学に預けていたことを思い出した。
炎は学にダグコマンダーを返すようにお願いする。真理亜に心配させないように嘘を言うのだが、バレていた。さらにケンタの姿は8年前の炎と同じ姿をしていたことを真理亜が語る。そこには8年前の写真があった。学は炎にダグコマンダーを渡す。
「炎どうしたんだ?」
「俺のダグコマンダー返してくれ」
「俺にくれたんじゃないか」
「質屋に入れるんだよ真理亜に借金返さなきゃならないんだ」
「今現在借金なんてあったっけ?あれからどこ行ってたのよ?」
「ちょっとな…」
「ケンタって子なんだけど、あんた見覚えなかった?8年前の写真、昔の炎にそっくりなのよ」
「あんまり無理すんなよ」
竜も戦闘を開始し、炎は市街地で変身し学校へ向かうのだが、倉庫にはケンタの姿がなかった。
友達
トラックにひかれそうになっているケンタを助けたのは渚だった。ケンタが負傷していることを知り、背負って病院へ向かう。自分のことを友達と呼んでくれたことに巻き込みたくないと、渚から離れる。
「何やってるの危ないじゃない?君小学生でしょ?いいの学校サボって?」
「学校、友達、可哀想」
「手当が終わったらデートしようか?ゲーセン、カラオケに行って、ごはん食べようよ…私達もう友達じゃん♪」
「友達殺したくない…」
ケンタを発見した雷は、交通量が多い市街地で、ためらいもなく銃を発射する。車を貫通しビームの直撃を炎が庇う。全員が集結し激戦の中、竜は雷を捕らえた。雷は任務の内容を全て話した。
ケンタの正体は、デアンドゾルと呼ばれる宇宙生物だった。宇宙へ種子を飛ばし、種子は成長して星の生体エネルギーを全て吸いつくして、新たな種子を飛ばす。数多くの惑星が死滅していた。
事情を知った竜は、雷を怒るのだが、雷はダグオンのみんなが優しい人間であると知っていたため、協力してくれるとは思わなかった。まさか炎が関わっていたとは思いも知らなかっただろう。真実を伝えて、苦しい思いをさせるなら、単独で行動しようと思ったのだ。
「やってくれるじゃねーか雷」
「炎、殺したくない」
「俺がそう簡単にやられるわけねーだろ!」
「炎降ろして」
「そうだ行ってみるか?みんなも一緒にさ…連れて行ってやるよ海へ」
「聞かせてもらおう何故あの子を狙う?俺を悲しませるな」
「先輩…」
「ケンタが地球を滅ぼす?」
「あの生物の名はデアンドゾル、不毛の大地を意味することばです」
「何故それをもっと早く言わなかった?」
「言ったら協力してくれましたか?奴をその手で殺してくれましたか?」
森はファイナルバスターを発射するが、バリアで無効化され反撃を受ける。全員が倒されてしまい、ケンタに変化が起きた。衝撃波で吹き飛ばされ強制的に変身が解除される。
ケンタの正体
ケンタの体が結晶体となり、月を指さして硬直した。炎がケンタに近づこうとすると、竜が止め、雷が高出力のビーム砲を発射するが、ケンタはバリアを展開し無効化されてしまった。炎はケンタが宇宙生物ではないと反論しようとする。竜がケンタの正体を伝えようとするが、言い出せなかった。
「炎逃げて」
「俺を信じろ」
「ダメぇぇぇ…うわぁぁぁぁぁ…僕あそこへ落ちればよかった」
「そこから離れて!遅かったレベル4に移行してしまった…もう僕達の装備では始末できません」
「嘘だ」
「嘘ではありません!奴は宇宙の害虫です!レベル5に移行します…そうなったら地球は滅亡します」
「滅亡だと?」
雷は情報を全て話すと、炎達は今まで守ってきたケンタが、地球を滅ぼす害虫であることを知った。短い時間だが、一緒に過ごした友達が元凶であるという現実を受け入れたくなかった。
衛星兵器でケンタがいる付近の都市を消滅させなければ、地球を救う方法がなかった。雷は自分の任務を実行しようするのだが、炎の言葉に動揺する。炎は雷を殴る。
「母星に戻り衛星兵器を使用します…山海市及び周辺の都市も消滅するでしょうが、残された方法はそれしかありません」
「できるのか?撃てるのか?俺達が?」
「それが僕の任務です…お別れです先輩達、できれば遠くに避難してください」
炎はみんなを巻き込んでしまった責任を感じ、避難するように伝えるが、全員がこの場に残る選択肢を選んだ。母線ではエネルギーチャージが完了して衛星兵器の発射準備が整った。レベル5に移行したら衛星兵器でも倒すことができなくなってしまう。雷はダグオンの写真を見ながら、発射することを迷っていた。
「聞いただろう…みんな早く逃げてくれ」
「そうはいかんな私は名誉風紀委員長だ」
「俺も付き合うぜデートはキャンセルだし」
「俺もバイトは休みだ」
「それにレベル5がどんな姿か見て見たいし」
デアンドゾルの種子は最初に見た生物に擬態することを知った。8年の歳月をかけて誰にもみつからないように。炎は真理亜に言われたことを思い出した。8年前に炎は、ケンタをいう名前の犬と一緒に発光体に遭遇していたことを思い出す。その生物がデアンドゾル(ケンタ)だったのだ。
海はケンタが8年前の炎であることを知り驚く。
結晶体が割れ球体が露出、エネルギーフィールドを形成して、レベル5に移行し、雷は膝をつきスイッチを押せなかったことを伝えに来た。
「押せませんでした…僕はボタンを押すことができなかった…惑星破壊部隊が動き出しました…地球を救う方法はありません」
「私達全員ダグオン失格というわけか…」
「先輩早く脱出しないと」
「わりいな、最後まで見届けさせてくれ」
兄弟
フィールド内ではどんなことが起こるのか不明だった。変身した炎達は内部の様子を目撃する。ケンタの願いを聞き入れ、全員の想いが集結しファイナルダグオンとなった。灰色のファイヤーダグオンをイメージしたそのロボットは、ケンタを両手で包み消滅させる。
「神様っているのかな?俺は、いねーと思うな…だってそうだろ?もしいるんだったら、こんなひでぇことするわけねーよ」
「炎、みゆきが言ってたんだよ…炎とみゆきと僕ら3人は兄弟だって…みんな炎の大事な友達なんだって、お願いを聞いてくれる?炎達の力で僕を…このエネルギーフィールドの中ならそれができるよ」
「こうするしかないのか?」
「お願い僕を…お願い炎!炎兄ちゃん!」
「ケンタァァァァァ!」
デアンドゾルのエネルギー反応が消えて、地球滅亡の危機は回避された。
勇者シリーズでは、シリアス回があるのだが、ダグオンTV本編ではありませんでした。まさかOVAで、こんなに苦しい切ない物語があるなんて。だが、悲しいからこそ、涙あり、感動する作品となっています。
TV本編後の物語を作成してくれるなんて、ファンにとって大きな宝物であります。TV本編よりも感動しました。
30周年経過したので、新作でもあれば嬉しいです。
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