城下町のダンデライオン4話「王女のスカート・謎の生徒会長」の感想です。茜は深夜にボルシチに起こされてしまう。どうやらお腹が空いたようなのだが、夜にあげた餌が残っていた。ボルシチはビニール袋に噛みつき餌を要求する。栞の能力で通訳してもらうと、食事よりビニールの歯ごたえの方がマシ。
「胸が苦しい…金縛り?」
「起きろ娘よ…食事がしたい」
「ボルシチったらなんでいつも私ばかり起こすのよ?夜にあげたやつまだ残ってるじゃないもったいないでしょ?これ食べなさい」
「放浪の身であった私を拾ってくれことには感謝している。しかし、王族の料理がどんなものか楽しみにしていたところ、とんだ期待ハズレだったことは残念である。それに比べたらビニールの歯ごたえには快楽すら覚える。ここの食事はビニールにすら劣るわけだが…」
王女のスカート
鮎ヶ瀬花蓮は茜の幼馴染で親友である。茜が登校してくるとクラス全員が異常を感じていた。なんと茜はスカートを履いていなかったのだ。みんな知っていて誰も教えてあげない、茜はワザとやっているのか?もしスカートを履くのを忘れて学校へ来てしまっているのなら、気づいた時のことを考えると言えなかった。花蓮は教えてあげるべきなのか迷っていた。
「え?茜がスカートを履いていない!クラスの全員がこの事態を異常だと思った。そしてあまりにもありえない状況に自分自身の以上を疑った。この事実を指摘しすることに躊躇してしまった」
「異常だと思っている自分が異常。何故なら誰も指摘しないのだから、それは一種の集団心理、負の連鎖。それで何も起こらず幸せに過ごせるのならそれも一つの幸せの形である」
「いやいややっぱりおかしくない?これはツッコんでいいものか?茜のことだから急に気づいたら恥ずかしさのあまり死んでしまうかもしれない」
「いくらなんでも気づいていないはずがない!っとういことは狙い?もし仮にワザとだとしたら、それを指摘すると茜のセンスを汚すことになる。親友の私にそんなことされたらショックで死んでしまうかもしれない」
「どうしたの花蓮…悩み事だったら相談にのるよ」
花蓮の声優が早見さんで、台詞がスラスラと…とても聴き取りやすい声である。
茜はクラスの女子からファッションのことを参考に聞かれるとパンツよりもスカートの方が好きと答えた。その瞬間全員が下を見るのだが、やはりスカートを履いていない。その話題は学校中に広まり、スカートを履いてないどころかパンツも履いているかどうか分からない状況だった。会長と呼ばれてこの男は生徒会長なのだろうか?
「櫻田の奴スカート履いてないよな?」
「見たのか?」
「会長」
「馬鹿者その名で呼ぶな!ちゃんとスカートの有無を確認したのかと聞いている?」
「すごいミニスカートという可能性も…」
「つまりスカートの下を目視で確認したわけではないんだな」
奏の耳にも茜がスカートを履かないで登校していると噂が流れてきた。ドジなところはあるが、まさかそんなことするわけないと平静を保っているように見えたが、気にして壁にぶつかってしまった。葵のところへも噂が流れて来たので、メールで確認しようとするのだが、茜は携帯を家に忘れていた。
奏は生徒会副会長の権限で校内放送で茜を呼び出し、生徒会室へ移動する。茜のパンツを見るために男子生徒全員が後を追う。花蓮は後ろから追ってくる男子に気が付いた。この状況をどうやって回避するか悩んでいると奏が現れた。
「私もついていく」
「平気よ学校ならそんな人見知りしないから…でも花蓮の気が済まないなら」
「今日は別の心配をしてるんだけどな」
「昔から世話になりっぱなしだよね…将来は結婚してもらおうかな?なんつって」
「その時歴史が動いた!生徒会室は南棟3階、ここは東棟の2階っということは必然的に階段を上がる」
「下から覗ける…下から覗ける…下から覗ける…」
「分かってるのか?君達は罪を犯そうとしているそれでいいのか?」
「今日はいつも以上に視線を感じるような」
「あいつら絶対気づいている…そして呑気!でもそこが好き♡問題を先送りにした私が馬鹿だった」
「茜あんた本当にスカート履いていなかったのね!」
「やだ!お姉ちゃん!ちゃんと下履いてるよ…ああ、それで今日はやたら視線を…もうしょうがないな男子は」
「何も履かずに学校へ来るはずないでしょ!ほら…うわぁぁぁぁぁぁ~」
奏に指摘されると茜は事情を説明する。登校中に監視カメラを避けて、木の枝にスカートを引っかけて破れてしまった。途中で短パンに履き替えたのだ。自ら制服を上げて短パンを見せようとするのだが、どう見ても下着だった。本人は履き替えたつもりだったのだが、履いていなかったのである。
男子生徒と花蓮は鼻血を噴射する(大爆笑)茜はみんなの様子を見て自分が短パンを履いていなかったことを自覚し悲鳴を上げる。
謎の生徒会長
桜花学園ではいつも生徒会長の代わりに生徒会副会長が挨拶をしている。1年生は入学してから一度も生徒会長の姿を見たことがなかった。生徒会長は小柄で1年生に間違われるとか噂が流れていた。
来週末に町内清掃活動を実施することになった。茜は監視カメラがあるこの町で清掃活動を行うのが嫌だった。それでも町内の人々のために頑張って清掃活動をしようとする姿勢を感じた。
「町内清掃か憂鬱だわ」
「校内限定にできないかお願いしてみようか?」
「そんなわがまま言えないわ…住民の人達だって町が綺麗になったらうれしいだろうし、人がいっぱい来ちゃうんだろうな」
「会長!今朝の朝礼の件ですが」
「朝礼がどうかしましたか?武田先輩」
副委員長の福品は茜の恥ずかしくて嫌がる姿が可愛いと好感を持っていた。すると3年の武田が福品のこと会長と呼んでいたことに気がつく茜。しかも敬語を使っていて、福品は会長と呼ばれることを好んでいなかった。
科学準備室で福品と武田と他2名の生徒が集まり秘密の会議を行っていた。どうやら茜が困っているため、福品が穏便に行動を開始する。
「校内であの呼び方はやめてくださいと言ったはずです」
「申し訳ありません以後気をつけます」
「問題に関してです…彼女は困っているようです…奏副会長の意見でしょう」
「頭数を揃えて意見を申し立てましょう」
「いえあまり騒ぎ立てても逆効果化…直接僕が動きます!」
福品は2年の教室へ行き奏に相談するのだが、教室では1年が奏に告白すると騒がれる。修は福品のことを会長と呼んでいた。茜のことだと知っている様子なのだが、福品の正体は何者なのだろうか?
「なんの話でしょうか?」
「町内清掃の件です」
「大方校内清掃に切り替えて欲しいといったところでしょうか?」
「はい」
「駄目です!茜には4000万の貸しがあるので、おかしいですね…あなたは本当は町内清掃の方が嬉しいのではないですか?」
「何を言っているのですか?僕は…」
「茜の恥ずかしがる姿が見放題ですよ?」
奏は福品が相談にやってくることを察していた。茜のために校内清掃に切り替えて欲しいとお願いしたが断られ、茜の恥ずかしがる姿が見放題であると誘惑されてしまった。福品はニヤニヤして自分の意見を取り下げ、葵の教室へ向かう。
「おい奏、会長と何を話してた?」
「茜を嫁にくださいって」
「俺は絶対に反対だ!あいつのことは嫌いじゃないが、それとこれとは別だ」
「冗談です。今朝の朝礼の件で」
「そうかならいい…」
「ってオイ!」
茜は福品のことが気になり上級生の校舎へやってきたのだが、佐藤達に見つかり、いや捕まってしまった。修は会長と奏の会話が気になり声をかけるのだが、冗談を言うと修は冷静な姿ではなくなり、冗談に気づくと興味が無いように話を終わらせる。
「正直恥ずかしがる姿は観たいですよ。しかし、私欲のために行動するんなんて、人として会長としていいのかどうかと…」
「好きな人のいろんな表情を見たいってのは当然なんじゃない?茜自身は嫌がってるけど、頑張ろうとはしているんだよね?本人がやる気を出しているなら、やらせてあげたいかな?茜のためにもなるし」
「彼女のためになるならそうするべきだな!うん!分かりました心は決まりました!」
福品は葵に相談すると本人のためにと背中を押した。結局福品は茜のために町内清掃から校内清掃に切り替えてもらおうとしたのだが、恥ずかしがる茜の表情が見たいという気持ちが強くなり、頑張ろうとする茜のためでもあると迷いが立ち切れた。
福品が戻ると茜が葵のところへやってきた。生徒会長は3年で葵の友達でもある。福品は学校の生徒会長ではなかった。科学準備室に集合した生徒は福品から報告を受ける。
「会長どういうことですか?」
「我々も町内清掃活動に賛同することになりました!改めて考えてみたんです…我々が何のためにあるのかを…彼女のためを思い彼女のために行動する…それこそが茜ファンクラブの存在!そして茜ファンクラブの会長としての僕の義務であると!」
「不得意な環境の中、少しでも平穏無事な生活を送れるよう働きかけるのが務めでは?」
「彼女の意思を無視することになるんですよ!自ら困難を乗り切り壁を乗り越えようとしている。簡単に乗り越えられては壁の意味がない。乗り越えられない壁なら後はどんな高さでも一緒だ」
「ハードルを下げた方がよいのでは?」
「それでは彼女の恥じらう姿が見れないだろう」
茜が教室へ戻ると福品は最初に戻っていた。うれしいことがあってニヤニヤしていると茜に指摘される。ビデオカメラのバッテリーを充電するそうだが、いつどのタイミングで茜の姿を撮影しようというのだ?
町内清掃活動を開始しました。最初の挨拶している小さな生徒が卯月生徒会長。福品の正体は茜ファンクラブの会長であり、修はファンクラブ会員No.2だった。いや兄なのに妹のファンクラブってww茜の恥ずかしがる頑張ろうの一言で福品は熱が入りヒートアップ。
「みんな…がんばろう…」
「櫻田さんの名誉のためにもうちのクラスが一番多くゴミを収集するんだ!無論各班連携して櫻田さんへの配慮も怠るな!いいなぁ!」
清掃活動終了後、茜はソファーで寝ているとボルシチが腹の上に乗ってきた。茜以外の上に寝ている姿は見られなかった。いつも餌を与えているので安心しているのだろうか?光もソファーに寝てボルシチを呼ぶのだが、ボルシチは光の胸を見て移動しなかった。
茜は光の方が胸が大きくなってしまったのかと、光の胸を触る。栞はボルシチの声を聞いたのだが、茜には本当の事を言えなかった。奏は夕食にボルシチを作ったのだが、ボルシチは自分が食べられると思い逃走するのだった。
「硬い中にも適度に柔らかい温もり…古巣を思い出す」
「言えない…」
「そのなだらかさがいいんだろう」
「なだらかさだったらあたしも中々だよ~ボルシチおいでぇ~」
「いずれその時は来るとは分かってはいたが、もう?予想より早すぎる!これが成長期というやつか?」
「やめてください」
「今日のメニューはボルシチだよ」
「遂にこの時が来たか!そろそろ食べ頃というわけか…しかし私は最後まで抗うぞ!」
次回「夏のバカンス・隠し事オンライン・八人岬」
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