城下町のダンデライオン10話感想「さあち☆らいとの行方・兄貴面するお兄ちゃん」

櫻田光

城下町のダンデライオン10話「さあち☆らいとの行方・兄貴面するお兄ちゃん」の感想です。国王選挙の支持率は葵が1位で、奏と茜が争っている状態が続いていた。事務所の山本は紗千子に話をふるのだが、王族のことをあまりよく思っていなかった。正直努力しないで上を目指せるのが、羨ましいという気持ちがあるのか?とにかくボロクソに言い過ぎたさっちゃんは、言い過ぎたと感じたのか?顔を赤くしてから気持ちを落ち着かせた。

米澤紗千子米澤紗千子

「興味ありません。王族なんて将来になんの不安もなく、気ままに生活しているような人達です。王様のお膳立てがあって、なんの苦労もなくことが運ぶんですよ?きっとアイドルをやろうもんなら。たいして努力しなくても、たちまちトップアイドルになれるんでしょうね?」

「別に僻みとか嫉妬じゃないですから…」

「言ってないよ何も…」

櫻田光櫻田茜

茜は中学生アイドル紗千子に夢中でライブ映像を一時停止して観ていた。光にさっちゃんに会いたいとワガママを言って興奮していた。デレデレしている様子が可愛いと思います。かなりさっちゃんのことが好きなようだ。

「何回も観てもやっぱり癒されるわ…さっちゃん♡」

「光…私さっちゃんに会いたい」

「ライブ行けば?」

「そうじゃなくてもっとまじかでお話したいの」

「王族の力でどうとでもできるんじゃない?」

「それは権力の乱用なのでは…でも1回くらいならいいかな?」

「駄目に決まってるじゃん!」

さあち☆らいとの行方

櫻田光米澤紗千子

マネージャーは選挙に向けて頑張っている光の正体が、王族であることを発表しようと考えていた。ものすごい勢いでファンを獲得していった。桜庭らいとのファン&櫻田光のファンを合わせれば選挙の支持率も一気に上昇すると説明するのだが、光は上の空だった。次のライブでさあち☆らいとは卒業して、櫻田光として売り出す流れになっていた。

「聞いているか…らいと?不安なことがあれば…」

「ささくれが…」

「最近アイドル活動が益々楽しくなってきた。ずっと一生懸命努力をしてきた。それは今もかわらない、でもそれは努力のための努力をしていたって感じ。それは今はもっと充実していて、らいとのおかげかな」

「え?らいとが引退?今が一番調子の良い時、これからもっと上に上がって行けるのに家の事情か何かで?あれ?私…仕事以外でらいとのこと何も知らない。彼女、私にプライベートのこと何も話してくれてない…どうして?」

米澤紗千子米澤紗千子

紗千子はらいとが登場してからアイドル活動が楽しくてしょうがなかった。固定ユニットではないのにファンが多くなってきたのだが、マネージャーとらいとの話を廊下で聞いてしまい動揺する。紗千子はらいとのことをよく知らなかった。もう一度さあち☆らいとのツインライブを開催する予定なのだが、二人は聞いてなかった。

「卒業ライブだ…引退のこと私には話してくれないのかな?どうして私がそこまで気にするの?彼女にも事情があって私がとやかく言う事ではないわ。今まで独りでやってきたんだし、それが元に戻るだけのこと」

さっちゃんはらいとが引退するのだと思い込み、一緒に活動できなくなってしまうことが残念だった。かなり落ち込んでいるさっちゃん大丈夫。事務所の山本がインフルエンザとなり出勤停止。人手不足となり、光は無料で引き受けてくれそうな茜に声をかける。

「さっちゃんの身の回りのサポート!」

「さっちゃんとあたしの」

「あんなことやこんなことも!」

「人の話を聞け!あたしの能力で変身すれば正体も隠せるから」

「わざわざ変身しなくてもジャミンググラスがあるから平気だよ」

憧れのアイドルに会えるチャンス。そして身のお世話ができるなんてタダでもファンにとっては、これほど嬉しいことはない。茜はルンルン気分で仕事を引き受けることになりました。

櫻田光米澤紗千子

茜ではなく赤木としてサポートをすることになった。茜は笑顔でさっちゃんに挨拶をして手を握る。茜は光が見えない所で、こんなにも努力して頑張っていた姿を見る。光は正体を明かすか、このまま「桜庭らいと」としているか悩んでいた。するとフリを間違えてさっちゃんに指摘される。

「らいとそこフリ違う。そんなんだと本番で後悔するわよ…ちょっとコンビニ行ってきます」

「それなら私が」

「ついでに外を歩きたいので」

櫻田光米澤紗千子

茜が水を買ってこようとするが、さっちゃんは独りで外を歩きたいので出掛ける。らいとのことが気になり財布を忘れてしまった。コンビニに行かなくてもスタジオ内の自販機たくさんあるし、無料のウォーターサーバーの水を飲んでいた。

「いよいよこの時が来たな!らいとの正体が王族だって知れたら」

「松岡さんそのことなんですけど」

「公表を止める」

「最初は選挙活動と思って始めたことだった。でも今のあたしにとってアイドル活動は特別な意味になってきてて、たくさんのファンができて応援してくれて、頑張ることの大切さをしることができて、だから今までの活動は桜庭らいととファンのものなんだ!違うもののためには使いたくない!桜庭らいとは、桜庭らいととしていることが、ファンのためのお礼だと思う!」

「らいとがそうしたいならそうしよう」

「今まで支えてくれた事務所のみんなに、特にさっちゃんにこのことを言うべきかどうか」

光はマネージャーに王族だと明かさず「桜庭らいと」としていたいことを伝えた。これまでのことをさっちゃんに話すかどうか悩んでいたのだが、二人の会話を紗千子は聞いていた。聞かなくていい場所によく遭遇するアイドルである。

櫻田光櫻田葵

光は家で葵に相談する。

「ねー葵ちゃん…嘘って隠し通せば真実と変わらないのかな?」

「相手にとってはあるいはそうかもしれないね…でも自分に嘘をつき続ける以上、それは嘘であり続けるんだと思う」

さあち☆らいと2ndLIVE

米澤紗千子櫻田光

2ndLIVE開催となるが、二人とも精神状態が安定せず笑顔が無く不調のようだ。茜はこの重い空気をどうにかしようと発言するのだが、逆効果だった。

「二人とも今日はとびっきりの輝きを見せてくれ」

「よーしライブ終わったら私がかつ丼おごっちゃうよ!」

「重たいのはちょっと…」

「あたしラーメンがいい…」

紗千子は、らいとの正体は櫻田光であることを知った。アイドル活動は選挙に利用するためのお遊びで、上手くいったのは王族の力があったからなのだろうか?と考えていた。引退するわけではないので、これからも一緒に活動できるからという安心感もあった。

「らいとはあの光様…アイドルになったのは選挙活動に利用するため?今まで彼女が成功してきたのは王家の後ろ盾があったから?全部遊びだったって言うの?でも引退するわけじゃなかったんだ。これからは一緒に…」

「大丈夫らいと?」

「なんたってアイドルだからね!ファンのみんなを楽しませなきゃ!」

米澤紗千子櫻田光

らいとはさっちゃんに言われた言葉を思い出していた。茜は声をかけるとアイドルとしての自覚がある言葉が出て来た。さっちゃんはらいとの言葉を廊下で聞いていて笑っていた。王族だろうと、桜庭らいとはしっかりと努力して、ファンのために頑張ろうというアイドルの心を持っていた。

会場は満席でライブ開始まで後数分。光は今まで一緒に活動してきたさっちゃんに、自分の正体を明かす。

「今言わないと…言わないと絶対後悔する…さっちゃん聞いてほしことがあるの!」

「本番前よ…今じゃなきゃダメ?」

「ダメ!」

「どうして?」

「あたしがこのままじゃ最高のライブにできないから!ずっと隠してきたことがあるの、言おうか悩んだんだけど、やっぱりさっちゃんには知ってもらいたくて、あたしの本名は櫻田光。櫻田王家第5王女、王族なんだ」

「どうして今まで隠してたの?」

「さっちゃんが王族のことどう見てるのかと思うと怖くて、あたしがアイドルとして今までやってきた気持ちを誤解されたくなくって!」

「馬鹿?私を見くびらないでらいと!本気かどうかの見極めくらいできます!王族だかなんだか知らないけど、私はずっと側で桜庭らいとを観てきた。あなたが本当は何者であろうと、私は桜庭らいとを知っている。さぁ行こう!みんなが待ってるわ」

さっちゃんは光が最初は手を抜いていたが、頑張って追いつこうとしている姿を側で観ていた。王族だろうがなんだろうが関係ない。ファンのために自分のために楽しむ心を持っていた。自分と同じ志しを持つ桜庭らいとを認めていた。

王族に生まれた私は、常に王族だからこそ、やるべきことを考え、勝手に自分の将来に制限を設けてました。ずっとお馬鹿な妹だと思っていた光は、いつの間にか大人になっていて、本当にやりたいことを見つけて、それを煌く意思を持っていて、そんな光をうらやましいく思っていました(茜)

兄貴面するお兄ちゃん

櫻田奏櫻田修

奏は買い物に出掛けるのだが、商店街で声を掛けられると笑顔で挨拶をする。こういった地道な活動は選挙で勝利するのに必要でもある。お肉屋さんの前で修と佐藤を目撃して顔を合わせるのが恥ずかしくて顔を横にした。

「明日の予定は選挙演説と昼から後援会の挨拶、午後からは握手会とトークショーで、演説の現行のチェックしてもらいたいんだけど」

「はいはい」

「牛角ロース900gお願いします」

「他は何にします?」

「そこのソーセージを」

そこで母親と一緒に買い物に来ていた兄弟がいました。弟がまだ遊びたいとワガママと言って困らせると、サッカーボールを兄が本を読んであげると約束します。奏はあの時のことを思い出していた。修の足の後遺症を完璧に直すために、奏は生涯をかけようとしていた。

修は瞬間移動を使って奏の隣に来てソーセージを注文する。さっきの様子を見ていたらしいが、天気が悪くなってきたので、能力を使って送ってきたそうだ。選挙活動中ではあるが、少しは一緒にいる時間を増やしてもいいのではないかと思うが、既に一緒に活動しているなら充実していることだろう。

「買い物手伝おうか?歩いて行くより瞬間移動の方が」

「歩いて街の人のアピールになるから」

「奏、国家予算を対価に俺の足を治そうとか考えてないよな?俺はそんなこと望んでないからな」

「どうして?」

「俺は奏に人生をなげうってまで尽くしてほしくないんてない。走ることができなくても能力がある。今の不満になにもないどころかとても充実している」

「佐藤さんと一緒にいてあげなさいってこと」

「奏もそういう顔になれよ!俺はお前と双子だし兄貴だ。お前の考えていることくらい分かる。もう忘れろ過去の事だ」

「忘れられるわけないでしょう…私はね対等でいたいの、家族として対等で、あんな大きな借りがあってどうやって対等でいられるの?借りを返さないといけないの」

「そんなもん返す必要はない」

「それは貸しじゃないから、やったものかな?返す必要なんてない」

「納得できるわけないでしょ?いつもそんなこと言わないのに兄貴面するのよ?産まれるのが30分早かっただけでしょう」

「それでも兄は兄!妹は妹。いいのかきょうだい喧嘩は国民の印象を悪くするんじゃないのか?」

修は奏が考えていることを知っていた。でも奏は修の考えていることが分からなかった。自分のせいで大きな借りを作ってしまい、王様になったとしても絶対に忘れることができない。消えることもなく、治せるかもわからない。

櫻田修櫻田奏

国民の前で大きな声を出して奏は怒ってしまう。強風が吹き荒れ、工事中のビルから鉄骨が落下して奏に直撃する寸前、修は能力を使い救助する。

「大丈夫か奏?今回はうまく助けられたな」

「どうしてそうなの?また怪我したらどうするの?あの時もそう!どうして自分のことを大切にしないの?」

「兄貴が体を張って妹を助けるのは当然のことだ!だからいいんだよ」

「そんなの不公平よ」

「どんなことがあろうともお前を守ってやる!どんなに嫌あがろうと命がけで助けてやる!それが兄貴の仕事だ!だから妹は黙って兄貴に守られてろ!対等なんかじゃない…思う存分俺に甘えろ!それが妹の仕事だ!」

奏はようやく修の気持ちを理解したようで、今までに見せたことがない表情で泣きながら修に抱きつく。修は奏をおんぶしながら帰宅する。あの日、自分がやってしまったことを後悔してきた奏だが、自分達を助けてくれたことは、兄として当然のことである。理解した奏は心が軽くなった。

「恥ずかしいから下ろして」

「瞬間移動を使わなくたってお前を背負って家まで帰れるんだぞ?」

「そんなこと証明しなくたっていいから」

「お前はお前らしくしてろ…俺のために王様目指すなんてするな!いいな…」

「修ちゃんのために王様になるの止める。私は私の独裁国家を築くために王様になるわ!だから選挙には負けないわよ」

奏は修のために王様になることを止め、自分のために王様になると決めるのだった。

次回「さようならスカーレットブルーム」

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