変態王子と笑わない猫3話「哀しむ前に声を出せ」の感想です。横寺、月子、梓の3人は、ゲーセンで遊んでいると部長に見つかり逃げ出した。梓はトイレから戻ってくると、横寺と月子の姿はなく、前の学校でいじわるしてきた女子2人が待っていて、からかわれてしまった。
哀しむ前に声を出せ
梓は全部計画されたことだと被害妄想になり、傷ついて涙を流して帰ってしまった。横寺は梓を傷つけてしまったことを後悔していた。梓の家にやってきて謝罪しようとするのだが、部屋から出てこなくて困っていた。
「全部お見通しよ!騙されたんじゃなくて、騙されてあげたの…あなた達とお友達なんてこっちから願い下げなんだから」
「亀のぬいぐるみもういらないの?」
「帰ってよ!もう放っておいて…」
母からの話を聞くと前の学校で何かあったようで、月子も梓の家に言って事情を説明しようとしたのだが、聞いてもらえなかった。月子も部長である姉と関係が悪くて悩んでいた。
横寺は梓のことで悩んでいたことを月子は知っていた。建前を返して欲しいのか?仲良くしたいのが本音なのか分からなくなっていた。月子のアドバイスで横寺は行動することに決めた。
「小豆さんのことで何か迷ってますか?先輩のことは大体分かるのですよ」
「筒隠の唇が肉汁でキラキラ光って生めかしいなってこともお見通しなのか?」
「脳みその中まで肉汁まみれの変態さんですね」
「本音と建前を区別する必要があるのですか?」
「映画を選ぶ時だって、建前で選んだ古典名作の間に、女の子のビデオを挟むよね?」
「そんな話はしていません…」
「自分の言葉に導かれるままに行動してみたらいいです」
「人は皆、そうすることでしか前に進めないので…砕ける前に声を出せってやつです」
横寺は梓の前の高校の二人に何があったのかを聞いた。梓をいじめていたという自覚はなく、からかっていることが多かった。休みがちな梓に修学旅行の行先は北海道だと伝えた。しかし、本当は沖縄だったのだ。空港で伝えればいいと思っていたのだが、梓は独りで北海道へ行ってしまったのだ。
「いじめ?うちら誰も小豆ちゃんをいじめたりしてないじゃん」
「リアクションが面白かったから、いつもいじって可愛がってあげてたっていうか」
「たまにからかいすぎたことも、あったかもしれないじゃん…」
「あれの後、すぐ転校しちゃったから、少し気になってたっていうのは確か」
「うちら小豆ちゃんのことは好き」
「そういうことは、本人に直接言ってやれよ…馬鹿野郎」
だから人を傷つけて騙されるという言葉を使っていたのだ。友達の話を信じ、直接北海道の空港へ行って待ってるとは、健気すぎる。
横寺は梓を部屋から抱きかかえ、タクシーで外へ連れ出す。被害妄想が激しく、精神面が弱いこと指摘する。不登校になり転校したのも全部そういうのが原因である。お嬢様を気取ってみたが、独りぼっちは嫌だった。ご褒美タイムとして相手に条件を求めている。
「放っておいてってば!」
「放っておけないからここにいるんだ」
「自我可愛いのに、属性をつけすぎじゃないか?」
「他人に何かを求めることじゃない!自分の心を強くすることだ!」
「普通にしていれば求められると思うし、僕もそんな小豆梓が好きだよ」
タクシーを降りようとするが靴を履いていなかった。横寺は梓を背負い歩き、猫像にお願いして建前が無くなったことを説明する。横寺は梓を恋愛対象としてみると、そこまで好きではなかった。この展開に梓は、しょんぼりしてしまう。
「こっちが自分の建前を捨てて普通にしていれば、こっちをしゅしゅしゅきでたまらなくなるのよね?」
「恋愛対象でいうとどうかというと、そんなに好きじゃないんだ…君だけ見てもドキドキしないし、さっきの話は普通の人に適応される」
「やっぱり全部嘘だったんじゃない!こっちのことが好きでもないのに建前を取り戻すために」
「こっちは勘違いして、飛べないのにバタバタしているニワトリみたいだわ」
「嘘ついててごめんね…君を傷つけちゃった」
「どうせ建前を返して欲しいだけなんでしょ?馬鹿」
「君を放っておけないのも本気なんだ…でも友達になりたいと思う…建前なんか関係ないんだ」
「今度は本当に信じてもいいのね?」
「君と友達になりたいって形に嘘はないよ」
「次はきちんと騙してよね?じゃないと怒るんだから」
猫像の前で、横寺は梓に謝罪するのだが、梓は泣き出してしまう。好きという気持ちは嘘で、建前を返してもらうのが目的だった。しかし梓のことを放っておけないという友達になりたいという気持ちがあると伝えた。
梓は建前を返すように猫像へ願う。横寺にベルトが戻り、梓は亀のぬいぐるみと月子からの手紙を手に入れた。
小豆梓様
ごめんなさい。
また、友達になってください。
筒隠月子
「なれるかしら友達に?」
「僕が保証する」
「ニワトリはバタバタしたってニワトリのままなのよ」
「僕の小学校のニワトリは空を飛べたけど、梓は人間なんだら頑張ればなんでもできるよ」
横寺は建前を取り戻すことができて、梓を励ました。月子からの手紙はとても嬉しかったに違いない。その様子を月子は木の影から見ていた。これで物語が落ち着くのだが、後は月子の表情だけである。
月の猫
月子は横寺と出会っていた夢を見ていた。ここから月子の回想となり、将来の夢は幼稚園の先生なのですが、子供と上手く話すことができず、鬼の仮面をつけている。幼すぎるため、動揺したり涙が出たり、本音が表情に出てしまうこと悩んで、横寺に相談していた。
本音が表情に出るのは駄目なことなのか?先生になるには、動じない存在でなければならないと考えていた。そのため表情を隠すために仮面をつけている。横寺は陸上部は好きではないが、水着を見るために陸上部をしていることを話す。
「表情を隠すためにお面を?それって間違ってない?」
「間違ってないです!完璧な作戦です!」
「陸上部そこまで好きじゃないんだよね…水着の方がよっぽど好きなんだ」
「陸上部と水着を比べる理由が分かりませんし、私の話との共通点も分かりません」
「本音も大事だけど、建前も捨てられない、だから別のお面を作ったらいいんじゃない?」
月子は桜の花びらが服の中に入り、虫だと勘違いして取ってほしいとお願いしてきます。月子のへそを突っつく横寺。数年前に横寺と月子は出会っていたのだが、横寺はそのことを忘れていた。
梓に声を掛けられ横寺は夏休みに二人っきりで遊ぶ約束をした。その様子を月子が目撃していて、お礼としてデートしてほしいとお願いされた。
「変態!夏休みになったことだし、今度遊びに行かない?二人っきりで」
「またゲーセンにでも行く?」
「沖縄とか…」
「小豆さんと仲直りされたんですね…話しているのを見かけました」
「筒隠のアドバイスのおかげだね、お礼しなくちゃな」
「お礼ですか?では私とデート二人っきりで…嫌ですか?」
「ちょっと付き合ってください」
月子は、保育園で子供と遊んだりする児童福祉クラブに所属している。中学の頃から活動していた。これから「月の猫」という紙芝居を見て、演技の評価をしてほしいとのこと。
ここから回想の続きとなり、横寺のアドバイスで鬼の仮面から猫の仮面に切替変えると、子供達から人気でお遊戯することができて思い出ができた。しばらく保育園に来れなくなる理由があり、それは月子が横寺を同じ高校に通うとになったからである。
「なんと!私は来月からあなたと同じ高校の生徒となるのです!」
「もしかしたら廊下や体育館ですれ違うかもです」
「それかプールでね」
「私のこと覚えていてくれますか?忘れたりしないですか?このお面が無くても、私を見つけられるですか?」
「すぐに見つけるさ!」
「私から声はかけないので、あなたが見つけたら声をかけてください」
「こうして子猫には、大好きな友達ができたのでした…めでたし、めでたし」
イラストは評価できたのだが、表情を失っているので、伝わりにくい感じだった。「月の猫」というのは月子と横寺の出会いの物語だったのだが、横寺は月子のことを覚えていない忘れている状態だった。
月子は美味しい弁当を作ったり、マッサージも得意である。
横寺は月子に姉とはどういう理由で仲が悪くなったのかを聞く。
次回「気楽な王の斃し方」
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