伝説の勇者ダ・ガーン43話「隊長、命令を!」の感想です。オーボスとの和平交渉が決裂し、高杉大佐は星史を庇い捕まってしまった。隊長の正体は自分の息子であることを知っていて、脱出し地球を守れとVサインする。地球では星史と高杉大佐の無事を祈っていて、星史の叫びに地球から伝説の力が発動しダ・ガーンが黄金に輝き脱出する。しかしオーボス星は姿を消し高杉大佐の行方が分からなくなってしまった。
大切な人を失う怖さ
美鈴はブッチョに誘拐事件に関わった星史を迎えにオーストラリア本部へやってきたのだが、隊長やひかる、桜小路たちの写真だけで星史の姿はなかった。もしかして隊長が星史なのではないかと推測し、高杉大佐がオーボスにより捕らわれてしまったことを告げられる。
星史たちは日本へ帰ることになるが星史は一言も話さなかった。ヤンチャーは少しだけでも伝説の力が発動したため、力を発動させるには何をしたらいいのか考えようとする。ダ・ガーンたちは高杉大佐を救うことができなかったことを申し訳ないと思っていた。
「星史本当に済まない。君の父上を救えなかったのは私の責任だ」
「悪いけど静かにしてくれないか」
根元は住民の避難が進まず、パトカーが盗まれて世界で一番ついていない警官だと思っていたのだが、パトカー盗んだのは星史である。そんな時に全員が帰宅したのだが、パトカーを誰が運転していたのかなど思わないのだろうか?
オーボスに邪険に扱われていると思っていたビオレッツェはピンキーとぶつかり驚いた。ピンキーはオーボスから若さを貰っていたのだが、前回の戦闘で星がダメージを受けてしまい子供からお婆さんの姿になってしまった。ビオレッツェはオーボスに話があり、ついでにピンキーのこともお願いすると約束した。以前はこの二人も仲が良くなかったのにいつの間にか仲間意識が芽生えたのだろう。
ビオレッツェはオーボスに会うために星をウロウロするのだが、足を滑らせて落ちてしまう。ピンキーは顔のしわが増えてしまい、ダ・ガーン達を始末しようと出撃する。オーボスは伝説の力を入手するまでダ・ガーンを破壊しないようにシアンに命ずるのだが、ビオレッツェはオーボスの正体を見てしまった。
ブッチョは桜小路家に厄介になることになり、星史に元気を出してもらおうと夕食を作るのだが、辛くなり外へ飛び出してしまう。公園でヤンチャーとひかるが追いかけて止めるのだが、星史は父を救うことができなかった自分の無力さと失う怖さを痛感しダイレクターを投げつける。ひかるは星史を殴り泣きながらお説教が始まる。このシーンがダ・ガーンの中でもっとも感動する名場面かもしれない。その姿を美鈴が目撃して星史が隊長だと知るのだった。
「やい星史ちょっと待ちやがれ!ひかるの気持ちも少しは分かってやれよ!」
「もうたくさんだ…もうたくさんだって言ったんだ!」
「お前逃げるのか?地球を守る隊長が逃げるのかよ?お前が逃げたらいったい誰がこの地球をオーボスから守るんだ?」
「俺は父さんを守れなかった。そんな俺が地球を守るなんて最初から無理だったんだ。何が地球を守る勇者だ…何が伝説の力だ…父さん一人助けられなくて何が伝説の力だ。どうして俺なんかを隊長に選んだんだよ!」
「星史君の馬鹿!今になって逃げ出しちゃうなんてそんなのズルいわよ。私達はどうなるの?地球のみんなはどうなるの?オーボスを追ってきたヤンチャー君はどうなるのよ?みんなあんたを信じてたんじゃない?それなのに最後の最後で裏切るなんて…あんたズルいわよ!今まで頑張ってきたじゃない…どうしてここで投げ出しちゃうのよ…なんで諦めちゃうのよ」
「許してくれひかる…俺には荷が重すぎたんだ…」
星史は怯えていてオーボスと戦うのが怖くなったのに、ひかるは酷いことを言ってしまったと後悔する。ヤンチャーは星史が失う怖さに気が付いたのだと話す。それでも地球が選んだ隊長だと信じるのだった。シャトルセイバーが地球へ敵機の侵入を確認して全員に連絡する。しかし隊長からの命令は無かった。ヤンチャーはセブンチェンジャーと共に出動する。
「いいかみんな星史を信じて待つんだ」
隊長、命令を
星史が家に帰ると美鈴がカレーなら自信があると料理を作っていた。これから母親として一緒にいて勉強を教えたりすると約束する。ヤンチャーの影響だとごまかしているのだが、泣いている様子を見て全部知っていることを悟った。今まで甘えることがなかった星史が、自分の辛さを理解してくれた母に泣きながら抱きつく。
「本当にダメだった母さんだったから星ちゃんの苦労を何も知らないでダメな母さんだった」
「ごめんよ母さん…俺、父さんを守れなかった…ロボットの隊長なのに父さんを守れなかったんだ」
「父さんはきっと生きてるわ。母さんはそう信じてる。あなたがロボットの隊長だと知った時、あなたに済まないと思ったわ。今日まで辛いこともあったでしょ?そんなこと何も知らずに…私って本当に母親失格ね」
「俺怖いんだ。父さんがあんなことになってもしオーボスに負けたら、母さんやひかるや蛍たちみんな父さんみたいに失っちゃう…それが怖くなっちまったんだ」
「みんなのために今日まで頑張ってきてくれたのね。もういいの…あなたは今日まで十分やってきたんですもの。今度は母さんが星ちゃんを守ってあげる番よ」
「母さん俺行くよ!泣いたらすっきりした。大丈夫あんまりメソメソしていると父さんに笑われちまうからね」
星史は爆風で窓ガラスが割れ怖くて震えている母の手を感じた。飾っていた家族写真を見て、父と母のことを想い星史は再び勇気を取り戻す。ピンキーとセブンチェンジャーが交戦し、街の被害が拡大し転電になる。ひかるが燃える街をダイレクターを持って走り、ランダーズとセイバーズは出撃命令を待っていた。
「どうしたらいいんだダ・ガーン」
「大将はまだなのかよ?」
「待つんだ…隊長の命令を待つんだ!」
星史が家を飛び出すとひかるが家の前で待っていた。ダイレクターを渡し心配する。全員に命令し出動するのだが、セブンチェンジャーが追い詰められていた。
「星史君大丈夫?」
「心配かけて悪かった俺はもう大丈夫だ!俺はもう泣いたりしない。母さんをひかるをこの街を、いやこの地球の全てをこの手で守って見せる。父さんだって必ず助け出す。それが隊長である俺の使命なんだ!こいダ・ガーン!ランダーズセイバーズ緑ヶ浜を守るんだ!」
「了解」
セブンチェンジャーを援護しピンキーの操る機体を2機撃破する。全員合体するのだが髪に捕まり身動きができなくなった。しかも地球の半分が吹き飛ぶ爆弾を搭載していた。機体を捨てて脱出するのだがシアンに発見され撃墜される。爆発を最小限に抑え込み、巻き込まれるピンキーをビオレッツェが救い出した。海岸に着陸したが航行不能で二人は負傷してしまい、ピンキーに仮面をかぶせてあげるビオレッツェ。
「愚か者!勝手な真似は許さん」
「無茶したわねあんたも。そんなに美しさを取り戻したいの?」
「オーボス様どうして…」
これでレッドロン以外は全員地球人に協力する形になるんだろうか?
次回「オーボス星の決戦」
コメントを残す